月: 2024年6月

電子化された特許証、登録証を従前のように紙で印刷したい方へ

今回の新着情報は、特許証・登録証に関するものになります。
特許や商標を取得すると、特許庁から特許証や登録証が送られて来ます。
これは世界共通の制度で、ほとんどの国は特許や商標を取得すると、その国の特許庁から特許証や登録証が送られてきます。(因みにロシアは、旧ソ連時代においては権利は国家の所有物という扱いであったため特許証は発行されず、その代わりに発明者の名誉を称えるための発明者証が発行されていましたが、ロシアになってからは各国と同様に特許証が発行されています。)

日本国においては、以下のような証書となっています。

菊花紋章があしらわれていることから、受け取ったお客様(特に個人出願のお客様)は大変喜ばれ、額に入れて飾っていらっしゃる方が多くおられます。(ご相談に来所された方も証書の実物を見て、出願に前向きになられる方が多くいらっしゃいます。)

今までは日本国特許庁から紙の証書が郵送されて来たのですが、今年度(2024年4月1日)から、原則として、紙での発行ではなく電子ファイル(PDFファイル)での発行にに変更されることになりました。
他の国(特に主要国)では既に電子化されていたのですが、遅ればせながら日本国においても証書が電子化されることになりました。
但、紙での発行を希望される方も多いことから、特許庁は以下の規格の用紙を用いて電子ファイルを印刷する方法も提案しています。(https://www.jpo.go.jp/system/laws/sesaku/hassou_digitalize.html

Q8.特許庁が発行する特許(登録)証と同水準の印刷物を出力するには、どのような規格にすればいいですか。
A8.以下の規格を参考にしてください。

特許・実用新案・意匠用
用紙:色上質紙(クリーム)、厚さ0.18mm、斤量84.5kgA版(坪量153.5g/m2)
サイズ: A4

商標用
用紙:マットコート紙(半光沢紙)または上質紙(非塗工紙)、厚さ0.18mm、斤量86.5kgA版(坪量157g/m2)
サイズ: A4

今回、特許証を電子ファイルで受領したことから、特許庁が推奨する用紙と同程度の用紙を購入し、試しに電子ファイルを印刷してみました。
その結果、以下のとおり、従来の紙の特許証と遜色ない厚み・手触りの綺麗な証書が印刷できました。(お客様のご了解の上、掲載をさせて頂きました。)

  
  (電子ファイルの特許証)    (今回、購入した用紙)    (購入した用紙で電子ファイル
 (背景は透明になっています)                   を印刷した状態)

正直なところ全く期待していなかったのですが、非常にいい出来栄えでした。(光の関係で用紙のクリーム色が薄く見えますが、従前の紙の特許証と同じ発色状態でした。)
恥ずかしい話ですが、弊所では、過去に一度だけ、特許証の封筒を開封した際、事務員さんが封筒の上部と特許証の上部と一緒にハサミで切ってしまい、特許証の上部(5mm程)を破損(ギザギザ状態に)してしまったことがあり、お客様に平謝りしたことがありました。(それ以降は、カッターを使って封筒の上部をレターナイフのようにして開封するように指導を徹底しているので、証書の破損事故は発生していません。)
また、証書は普通郵便の封筒で郵送されることから、郵便の配達員さんが配達中や弊所ポストに他の郵便物と一緒に入れる際などの衝撃によって、封筒(証書)が折り曲った状態で配達されてしまうことが何度もありました。(その際は、アイロンを使って出来るだけ折りジワを伸ばしてお客様にお送りしていたのですが、どうしても限界がありました。)
これに対して、電子ファイルであれば、いつでも新品同様の証書を手に入れることができるので非常に便利です。
弊所では証書を電子ファイルで受信することになりますが、今後は紙に印刷した証書もサービスとしてお客様にお送りすることにしたいと思います。

最後に、当職が購入した用紙を以下に記載しますので、紙の証書が欲しい方は参考にしてみて下さい。(いずれも「宅配紙販売」というサイトで購入できます。)

特許・実用新案・意匠用用紙
品名:色上質紙・最厚口 A4(210×297mm)のクリーム色
URL https://www.kamihanbai.com/products/detail/86

商標用
品名:e-マットコート・135kg
URL https://www.kamihanbai.com/products/detail/2041